アカミミガメ(ミドリガメ)は比較的丈夫な亀ですが、飼育環境や食事のバランスを間違えると病気になることがあります。この記事では、特に注意すべき代表的な5つの病気について、症状・原因・チェック方法・対策をわかりやすくまとめました。
1. 代謝性骨疾患(MBD)
症状
- 甲羅や骨が柔らかくなる
- 歩きづらそうにする、足が曲がる
- 成長不良、体の左右のバランスが崩れる
原因
- カルシウム不足
- ビタミンD3の欠乏(UVB不足)
- 栄養の偏りや日光不足
対策
- カルシウム強化の餌やサプリを与える
- UVBライトを設置、または日光浴の時間を確保
- バランスの良い餌を継続的に与える
2. ビタミンA欠乏症・ハーダー氏腺炎・口内炎
症状
- 目が腫れて開かない、白く濁る
- 耳の後ろにしこり(耳膿瘍)
- 口の中が赤くただれる、膿が出る
原因
- レタスやキャベツなど栄養価の低い野菜中心の偏食
- 人工飼料だけに偏る食生活
対策
- にんじん、小松菜、レバーなどビタミンAが豊富な食材を加える
- サプリメントの使用も有効
- 水槽内の衛生管理を徹底する
3. 呼吸器感染症・肺炎
症状
- 鼻水、くしゃみ、呼吸音
- 口呼吸、水面に浮いたまま動かない
- 食欲低下
原因
- 水温が低すぎる
- 水が汚れている
- ビタミン不足や免疫力の低下
対策
- 水温は25〜30℃を保つ(ヒーターを使う)
- ろ過装置を活用し、こまめな水替えをする
- 悪化している場合は動物病院で抗生剤治療が必要
4. 水カビ病・シェルロット
症状
- 甲羅に白や灰色の斑点、柔らかさ、膿、出血など
- 悪化すると甲羅が崩れたり、一部が剥がれる
原因
- 汚れた水に長く浸かっている
- 陸場(バスキングエリア)がない
- 傷口からの細菌・真菌感染
対策
- 水替えとろ過装置で清潔な環境を維持
- 陸場を設け、乾燥する時間を作る
- 消毒液で患部を洗浄(※獣医指導のもと)
- 重症の場合は病院で抗菌・抗真菌治療が必要
5. 脱皮不全・異常な脱皮
症状
- 古い皮膚や甲羅の表皮が剥がれずに残る
- 皮膚がただれる、出血することがある
原因
- タンパク質の過剰摂取
- 紫外線不足(UVB)や乾燥場不足
- 栄養バランスの崩れや水質不良
対策
- UVBライトの設置、または日光浴を毎日取り入れる
- バスキングエリアを整備する
- タンパク質過多の餌は減らし、野菜やカルシウムを加える
- 自然に剥がれるのを待つ(無理に剥がさない)
まとめ:日々の観察が健康のカギ
病名 | 主な症状 | チェックポイント |
---|---|---|
代謝性骨疾患 | 甲羅や骨が柔らかい、歩行困難 | UVBとカルシウムが足りているか |
ビタミンA欠乏症 | 目や耳の腫れ、口内炎 | 野菜やサプリの摂取があるか |
呼吸器感染症 | 鼻水、くしゃみ、浮きっぱなし | 水温や水質は適正か |
水カビ病・シェルロット | 甲羅の変色・剥がれ・膿 | 陸地と水替えの頻度は十分か |
脱皮不全 | 剥がれない皮、炎症や出血 | 紫外線と乾燥時間が確保されているか |
亀は我慢強い生き物で、体調が悪くても目立ったサインを見せないことがあります。毎日の観察と、正しい環境の維持が、健康に長生きするための基本です。少しでも異常を感じたら、早めに爬虫類に対応した動物病院に相談しましょう。
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